2ntブログ
眠らない森
ひざまずいてもなお、踏みにじられながらイかされる事が愛されていると実感できるから・・・変態妄想に抗えない
BirthdayPresent(1)
「いらっしゃい・・よく来てくれたね」
遥さまは、大きくドアを開くと、私を部屋に招き入れてくれた。
遥さまのマンションのお部屋は、明るくて清潔感があってセンスがよくって、、、、そして、ほっとする。
ここに遊びに来るのは、まだ3回目だと言うのに、すでに「私が1番大好きな場所」になっていた。
「誕生日・・おめでとう・・」
遥さまは、まだ靴も脱いでいない私を、きゅっ、と抱きしめてくれる。
「いい子にしていた?」
遥さまは、会うと必ずこう聞く。
「ん、、、っと、ちょっと悪い子だった。」
おやおや・・・・と、遥さまは、私の顔を覗きこむ。
「どんな『悪い子』をしたのかな・・?」
「あのね、、、こないだSMチャットで公開プレイをしようとしたの、、」
「そうか・・・楽しかった?」
「ううん、、、だって、、、結局やらないで落ちて来ちゃった、、」
「どうして?僕に・・遠慮したの・・?」
少し心配そうな遥さまの声。
「遠慮じゃ、、ない、、淋しいからって、、他で解消するのが、、嫌だ、、って、、気がついたから、、」
「そうだったね・・・かまってあげられなくって・・悪かったね・・」
遥さまは、もう一度きゅっと抱きしめると、おでこにキスをしてくれた。


「今日はね、僕が食事を作ってあげるからね。」
遥さまはそう言うと、私をソファに座らせる。
「できるんですかぁ、、料理?あ、わかった。カップラーメンだ。」
「こらこら・・・」
遥さまは、こつん、と、私の頭を叩く。
「パスタだよ。」
「あは。期待しています。」
「期待されたら・・・困るなぁ・・」
困るなぁ・・と言いながらも、遥さまはとても機嫌がよさそうだった。
「今日は、とってもご機嫌ですね」
からかうように私が言うと、遥さまは声を出して笑う。
「今日は・・・って、なんだかいつも機嫌悪そうな言い方するなぁ・・あはは」
遥さまは、私の隣に腰掛けると、肩に手を回してくる。
「はい。一昨日まで『決算』で、チョーご機嫌斜めで、散々放置されて、、、たまに連絡取れたと思ったら、 できない課題ばっかり与えられて、、、ゆきなはかなり苛められましたから」
「あはは・・そんなことしたっけ・・・?」
遥さまはおどけたように笑いながら、私の髪をひとつまみ取ると、軽く弄んだり引っ張ったりする。
隣に座っているときの、遥さまの癖。
「今日は・・・ずっと一緒にいようね・・・・」
うれしくて思わず抱きついた私を、遥さまは、痛いくらいに抱きしめてくれた。


初めてここに来た時に、私が持ってきたピンクのエプロンをかけると、遥さまはキッチンに消えて行った。
スーツ姿の時はピリピリしていて、近寄りがたい雰囲気の遥さまも、今日はトレーナーにジーンズ。
おまけにピンクのエプロンをしている姿は、とてもSさまとは思えない。
思わず「可愛いなぁ、、」という言葉が口から出てしまった。


遥さまと私の出会いは2年前。とある出会い系サイトの掲示板だった。
そのころの私は、何もかもが嫌で、何もかもが信じられなくなっていた。
愛し合っていると信じていた恋人が、私の知らないうちに他の女性と結婚していたり、 信頼していた友達が、私の父親と援助交際していたり、叔父に呼び出されて待ち合わせ場所に行ってみたら、 ホテルに連れ込まれそうになったり、担任に放課後残るように言われたので待っていたら、いきなり襲われそうになったり、、、
このまま、、ずっと、、、誰にも会いたくない、、、このまま、、、、消えてなくなりたい、、、
そう思う反面、誰かに私の存在に気がついて欲しくて仕方なかった。
そんな時、携帯にメールが入ってきた。
迷惑メールに分類される出会い系サイト。
いつもは受信拒否にしたまま削除しているのに、その時に限って受信する気になった。
掲示板を開いたとき、真っ先に目に入ったメッセージ。
『僕はここにいる・・・誰か・・僕に気がついて・・・・』
私は返信を書いた。
『私が気がついてあげる、、、私は、、ここよ、、、』


掲示板からメールに。メールからチャットに。チャットから電話に。
顔も名前も知らない相手に、私は夢中になった。
電話で話をする時間は、夜11時から12時までにしようと、2人で決めた。
いつも穏やかな話し方をする彼が、仕事で苛立っていると声が少し低くなること。
とりとめのない私の話に、しっかり耳を傾けて聴いてくれること。
時々彼が話してくれる、私の知らない淫靡な世界のこと。
たまに、わざと私にいやらしい言葉を言わせたり、実際に課題を出してそれを実行させたりすること。
毎晩11時になるのが楽しみで仕方なかった。
一緒の時間を共有している、と思うだけで、充分幸せな気分になれる。
そんな気持ちにさせてくれる彼に、とっても感謝していた。
そして1年。
彼の誕生日に、私たちは初めて、会うことになった。


初めて降りる駅。
私は期待と不安で、ドキドキしていた。
私たちは、写真の交換をしていない。
知っているのはメールアドレスと携帯の番号だけ。
私が駅の改札を抜けたその時、後ろから肩を叩かれた。
「すぐに・・わかったよ・・・」
その声は、確かに彼の声だった。
「はじめまして・・・って言うのも変かな。」
彼はてれたように頭をかく。
「遥、です。」
彼は右手を差し出した。
「ゆきな、、です、、、」
私はその手を両手で包んだ。
「会いたかった・・・」
彼は人前だというのに、その場で抱きしめてくれた。


(2)へ続く




(My妄想小説サイト:クリスタルムーンより転機)




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テーマ:女が書く官能小説 - ジャンル:アダルト

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